総評〜個人賞男性部門〜

自分の好みが色濃く出ているのがこの部門だと思います。いわゆる定番の人はほとんど含まれてません。それは男性声優ってのは売れるまでが一番面白いからで、女性声優だと一度人気を獲得してもそのあとアニメに出続けないとすぐに人気は下降線を描くけども、男性声優は一度人気を獲得すれば中々それが下がらないんですね。だから売れるまでが面白いんですよ。(あとに挙げる人が必ずしも人気がないと言ってるわけではありませんので悪しからず)
 
というわけで、個人賞男性部門を贈るのは浜田賢二さんです。彼のキャリアは決して華々しくはないけれど、二枚目の役をきっちり演じられるだけの力を持っているということを「Paradise Kiss」で証明したと思います。特に、ジョージのアーティスティックで少し気難しいところがよく表現できていたと思います。ただ、彼による同アニメDVDのCMナレーションがズッコケまくってたんですよね。全然決まってなくて。これも考えようによっちゃ微笑ましいですけれども。
 
次点は阪口周平さん。ジャぱんだけだったら去年のカテゴリなんですが、今年は「格闘美神 武龍」でもその持ち味を如何なく見せてくれました。アニメに馴染みまくる関西弁も素晴らしいですが、彼の本当の持ち味はシリアスとギャグがしっかり両立していること。ギャグのすぐ直後にシリアスをやっても全然シリアスだし、シリアスのあとに抜いてもちゃんとギャグになってる。どちらか一方が得意でどちらかはダメという人が多いんですよ、普通は。
 
他には、ナレーション畑から颯爽と登場し、愚直なまでのヒーロー像を演じて楽しませてくれた高田裕司さん(スピードグラファー)、ハチクロでブレイク?計算し尽された「体温ですニャ」にプロ根性を見た神谷浩史さん(ぱにぽにだっしゅ!)、ツンデレに振り回される青年の心境を「わけわかんねーよ」で的確に表現した中村太亮さん(涼風)、いやらしさを微塵も感じさせない旦那様を演じているのが、逆にいやらしい真殿光昭さん(おくさまは女子高生)、「この人の演技もうちょっと聞いてみたいなぁ」と芸能人声優の儚さを改めて感じさせた水谷俊介さん(Paradise Kiss)…などなど…今年もたくさんの人たちに楽しませてもらいました。どうもありがとうございます。