総評〜個人賞女性部門〜

今年は、全体的には昨年の勢力図のまま推移したという印象が強いです。上半期の主役だった小林沙苗さん(ガラスの仮面)、月詠でのブレイクから今年一年で順調に力を伸ばした斎藤千和さん(ぱにぽにだっしゅ!)、憂いを帯びた女性の役をやらせると上手いことがわかった生天目仁美さん(Canvas2UG☆アルティメットガール)、などが上位を占めました。

その中から、これまでに十分なキャリアがありながら、まだなお新しい役で見せる折笠富美子さんを当blogでは選びました。松岡美羽苺ましまろ)と片桐姫子ぱにぽにだっしゅ!)は一見するとどちらもおバカキャラという共通項で括られますが、細部に渡って見ていくと両者は全くと言って良いほど違っています。美羽の「ちょっとむかつく」感じの演技というのは、他では中々見ることのできない演技だと思います。折笠さんの引き出しの多さ、および自在闊達で、適切な演技に対して、賞賛の言葉を贈りたいと思います。
 
他には、本田貴子さんはこの一年で随分アニメ出演が増えました。記憶に強く残っているのはやはりスピードグラファーの銀座ひばり刑事。ノエインでも似たような横恋慕キャラをやっているのが気になります。渡辺明乃さんには少年役オブジイヤーを贈りたいと思います。声は若干可愛い目ですが、中身はどこから見ても少年そのものです。そこに痺れます。(韋駄天翔
 
細野佑美子さんは本業で何やってる人なのかわかりませんが、萌果の出番が多くなるにつれて上手くなったのが印象に残りました。でも萌果が戦線離脱してしまうとまた調子を落としてしまったのが残念。ちょっと面白いけど。(涼風)
 
最後に、今年一番のニューホープと言えばこの人、工藤晴香さん。ハチクロのときは正直さほどの演技はしてなかったけども、ノエインで開眼したね。この人は日常のさりげない会話にリアリティを持たせるのが物凄く上手いです。年齢的にもまだ若いのが絶対に良い方向に作用しています。ただ、若ければ誰でも良いかというとそうじゃなくて、生の会話を演技の中に反映させるのにもセンスが必要なんで、その点で彼女はずば抜けています。ハチクロのときに目立たなかったのはキャラクターに合わせて声をかなり作っていたことと、短いセリフが多かったから。今思えば、山田と一緒にはしゃいでるときなんかは結構いい線をいってたと思う。ただ手放しで誉められないのは、この人シリアスがかなり弱いんです。確かに、普通に生活してて身の危険を感じることなんてそうそうないと思いますが、それを何とかするのが役者という職業だと思うので。そこが良くなったらもう完璧じゃないの?これからもぜひアニメに出続けて欲しいと思います。