ハチクロ見て思うこと

以前このblogで「声優は、個人プレーだけでなく、チームプレーも見るべきだ」と書いたことがありますが、ハチクロってアニメはその最たる例だと思う。
 
ハチクロを見ていてまず認識するのは、流れるように繋がるセリフ、小気味の良いテンポの良さ、そして個人の存在が薄らぐほどの、キャラクターたちの一体感。その一体感が強固なものであるほど、そこから打ち出される雰囲気、世界観に、視聴者は没入することができます。
 
ただ…これはごく私的な印象だと思いますが、製作者の要請するところと「声優たちのチームプレー、作り出す世界観」が少しだけズレていたような印象も、このアニメからは受けます。
 
端的に言ってしまえば、当初の思惑としてはもっと今までにない、アニメと呼ぶのもはばかられるような、オシャレな作品にしたかったと思うんですよ。でも、アニメにバリバリ出ている声優さんたちを揃えた結果、どうしてもアニメの方に引っ張られちゃった感じがある。
 
別にハチクロは声優だけのアニメではないので、これが例えば、若手俳優を声優として多用する感じでも、見れる作品にはきっとなっていたと思います。もしかしたら、そっちの方が全体で見てまとまりがあったかもしれない。ただそこから先は良し悪しですよね。ちょっとズレているようには思うけど、声優さんたちがチーム一丸になって「ハチクロという作品を表現している」のが、自分にはとてもよくわかるので。だからこそこのアニメは「声優のチームプレー」の教材に相応しいのだと、自分は思っています。