おくさまは女子高生 #10「涙の天体観測」「小娘なんかに負けないわ」

 
素晴らしい出来。面白いアニメを見ると元気が出ます。アニオタだから。
このアニメは「高校教師と女子高生が結婚してて、それを隠しながら生活する」って設定を使って、視聴者をハラハラさせて話を作るという部分と、若夫婦のすれ違い、いさかい、そしてそれが修復に至る過程の心理描写を見せる部分と、両方あるのだけれど、上手いな!と思わせるのは特に後者。
 
今週の一番の見所はAパートの最後。電気の消えた真っ暗な部屋で、猫を抱えながら涙する麻美のシーン。膝元から画面を上に動かしていって、胸元で心配そうに麻美を見上げる猫を映し、視聴者に麻美はどんな表情をしてるのだろうと思わせて、目を見開いたまま涙する麻美でドキッとさせる。そして矢継ぎ早に「あたし、ただの女子高生だから…」っていうセリフ。麻美の焦燥感とか無力感とかがよく出てます。
 
声優オタとしてもちろん見逃せないのは、Bパートの入りの麻美のナレーション。このアニメではおなじみの「あたし麻美。17歳の女子高生。〜みんなには内緒だけど、実は結婚しているんです。」というやつが今回は実に辛そう。それもそのはず、宿直のだんな様とあんな別れ方をした、次の日の朝なのだから。いつもと同じセリフに、いつもと違う表情をつけなければならないというシチュエーション。声優オタ的にはとっても美味しいです。
 
ところで、アニメ作品を評価する際に、「終わり良ければ〜」みたいな見方も一つとしてありますけど、自分としてはこういう「当たり」の回が一回でも二回でも見られれば、ああそのアニメ見て良かったな、と思うことにしてます。最後でチョンボしてもね。(っていうと、期待してないように聞こえるかも?)