BS-iに音響監督、岩浪美和氏登場

一年ほど前、マシュマロ通信にはまっていた自分が、「音響監督ってどんな仕事だろう」と興味を持ち始めた。そのときの音響監督が岩浪氏だった。氏が「アニクリ2005」に登場すると聞いて、自宅ではBS-iが見られないので、木曜に友達に録画してもらい、今日見せてもらって、今帰ってきたところ。
 
んー、濃ゆい30分だった。
岩浪氏のHPを以前に拝見したときには「何か堅い感じの人かな」と勝手に思い込んでいたのだが、実際の氏は身振り手振りを交え、にこやかな表情、ちょうど良いテンションでたんたんと話される。話も上手いしね。聞き手の向井アナも変なところに拘ってツッコみを入れるので、自然と話がディープになって、面白かった。
 
声優オタには「音響監督の仕事=声優にダメ出し」みたいなイメージがどうしてもあるけど、岩浪氏によればそれは仕事のうちの一つでしかないという。効果音を音響効果マンに発注したり、BGMを作曲者に発注する、そしてアフレコ時にダメだしもやる、というのが正しいイメージのようだ。
 
BGMの発注という部分が結構な曲者で、音響監督はまずシリーズ構成や台本、絵コンテ、そういった制作の過程に立ち合い、自分の中で作品に対するイメージを練ってゆく。その上で、この場面ではこんなBGMがいる、という風にして2クールもので50曲程度は「こんな感じの曲を作ってください」とリストアップし、その上で発注するのである。音楽に対する引き出しが求められる仕事なのは言うまでもない。
 
アフレコの話は、時間の都合もあったのか、あまり触れられなかった。岩浪氏によれば「演技指導というほどではなく、修正する程度」らしい。例えばアニメの中で二人のキャラが10m離れて会話していたらそう聞こえるように指示を出すとか。この辺、もうちょっとつっこんで話を聞きたかったけど。
 
素材を集めたところでいよいよ、音付けなのであるが「アニメ制作の最後の過程は、音付けである」これも知らなかった。言われてみればそうなんだけど。岩浪氏の場合、音付けは特にアニメが放映される時間帯を考慮するのだという。朝の子供向け番組の時間帯は、家の中が慌しいので、作品も少しにぎやか目に音付けをするという。深夜アニメは、それとは逆におとなし目に音を付ける、等。多分前者はマシュマロ通信のことなんだろうなぁと思いながら話を聞いていた。氏は、段々音がついていくことで感情豊かに出来上がっていく作品を見るのが好きだと言う。
 
で……岩浪氏、番組の最後にとんでもないオチをつけてくれる。
「音が良いって褒められたら、負けなんですよ(笑)あの作品良かったって言ってもらえるのが嬉しい」
岩浪氏の言わんとすることはよくわかるけど、ちょっとドキッとした。複雑な心境(^^;
まあ森を見ながらも木を見るのがオタクってことで氏には納得していただきたいと思う。
ともあれ、楽しくてしょうがない30分だった。あとで無理言ってもう一回見た。
 
ここまで、備忘録みたいな感じでざっとおさらいでした。なんかコピーガードの関係で映像ソースもらってこれなかったんだよね…ガッカリ。デジタル放送ってめんどい。