やる気のない人たち

僕が今いる制作会社は、テレビというよりは「動画」と言った方が近い、そういう制作会社です。
番組作りの仕組みは基本的にテレビと変わらないと思います(それもどうかと思います)が、
決定的に違うのはやはり、ものを流しているメディア、媒体に力がないということ。

それが全ての面で効いてきます。

タレントの質が下がるのは当たり前ですが、そのタレントにも強く出られないくらい、こちらが弱い。超大物ならいざ知らず、地上波ならこんなことはありえないだろうというような態度を取るタレントやマネージャー。辛いですよ。みながそうではないのですが。

僕が衝撃を受けたのは、周りにいつも愚痴ってる話なのですが、番組の中の映画紹介コーナー用のコメントを、広報の人のとこへ取りに行ったときのこと。
事前にアポを取っていた若い広報が二人出てきて、挨拶したあとの第一声が「何しゃべろうか…」衝撃が走りました。
そのあとも全然しゃべれない広報二人。終始こちらのペースで進むコメント取り。しゃべっている本人は、緊張感ゼロ。完全になめられてると思いました。彼らは地上波でも同じことをするのでしょうか?そもそも、彼らは責任のかかる場所には出されないかもしれませんが…。

この業界は、できる人とできない人が極端な気がします。言い換えれば、緊張感のある人とない人。目的意識のある人と、なあなあで仕事をしている人。まあ皆が優秀なわけではないというのは、落ち着いて考えれば当たり前のことなのですが、実際目の当たりにしないとわからなかったことかもしれません。

誤解のないように言いますが、僕は今の会社は好きです。なあなあで仕事をしている人は一人もいませんから。
しかしメディアの力のなさから来るものはどうしようもありませんし、力のないものをあるものに変えていくには、今のやり方では余りに遠回りをしているように思います。

それでも今はただ、与えられた仕事を精一杯こなすだけです。次のステップへ進むために。