仕事が多くても、人気声優とは言えない?

(A)の逆を考えてみましょう。
仕事が多いならば、人気声優である。─(A)の逆
これは多分にダウトです。つまり実際には「仕事が多くても、人気声優とは呼べない人がいる」わけでして、一体なんでそういうことになるかというと、(B)の仮定において、「ファンの人気」をゼロとしても「スタッフの意思」が強ければ仕事は来るわけです。そして、ある作品に出演してそれが「ファンの人気」へフィードバックされなかったとしても「スタッフの意思」が強いままなら、仕事は回っていきます。
 
なんだかネガティブな書き方になりましたが、こういった状態は別に悪いことではありません。「ファンの人気」主導で仕事を得る声優と、「スタッフの意思」主導で仕事を得る声優と、両方居るというだけです。そして、仕事が途切れなければいずれは「ファンの人気」が出るだろうという見方をすれば、良好な状態だとも言えます。このような状況の差を生むのは大体において出演作品の性質、役柄、重要度など、つまり(C)と同じものです。