主張するイベンターたち

 
タイトルそのままです。
 
イベンターと呼ばれる人たちって、数こそそんなに多くないんでしょうけども(TBSアニメフェスタの会場の定員が2000人弱で、それも全部埋まってなかったというところと、ゲストのメンツhttp://www.tbs.co.jp/anime/festa/sakuhin/sakuhin.htmlからだいたい推測してください)、彼らが「誰を応援する」と決めたら「何々ちゃーん!」と叫ぶとかペンライト(通称サイリューム)振るとか、声優さんが面白いこと言ったら大いにウけるとか、思いっきり拍手するとか、全力で応援するわけです。こういうのってちゃんと目に見えて、「あ、この中で誰が人気あるんだな」というのはわかるから(もちろんこの会場で、という条件は付くけど)、声優を使う側にも請求力があるんだろうね、と。
 
こういうのはシンガーとかアイドルとかいった一般的な芸能人でも同じことがされているけども、彼女たちにはCDがどれだけ売れたとか写真集がどれだけ売れたとか言った「目に見える」判断材料がデフォルトでくっついてくるのに対して、一般的な声優って「目に見える」判断材料って少ないんですよね。もちろん、「人気アニメに出ている」「仕事が多い」ということはステータスになるけど、それはどっちかというと後天的な判断材料であって、「じゃあこの先どういう声優が評価されるのか」というような側面は非常に見えにくい。そこへやってきて「イベンターが主張するイベントでの人気」というのは起用する側の人間にとって「目に見えるものだから」評価しやすい、というわけです。
 
でも、こういう尺度で人気を量ると実際「声優が人気を獲得する」というのは「アイドルが人気を獲得する」のと大差なくなってしまう。外見が好みだとか、キャラが面白いとか、いじらしいことを言うとか、声優本人のキャラクターばかりが重視されて、「上手い演技をするから」とか「自分の好きなアニメに出ていたから(つまりアニメ本位でファンになった)」とかそういう要素は、無視はされないのかもしれないが軽視されていると感じます。どっちかというと「自分の好きな声優が出ているアニメだから好き」という論法でしょう。そしてアニメを制作する側も「君らの好きな声優が出ているアニメだから好きになってくれよ、DVD買ってくれよ」という風に迎合する。
 
こういう風潮が現実として存在することを会場で自分の目で見て確かめてきました。似たようなことはイベント行く前から考えていましたが、実際イベント行ってみてはっきりと危機感を感じたというか。
 
彼らはとても熱心です。そしてしっかり主張をする。一万人の静かな、何を考えているかわからない声優ファンより、しっかり「この声優が良い」と主張をする500人のファンを相手に商売をした方が良い。それは確かにそうかもしれない。だから、我々も負けずにちゃんと「主張をする」必要があると思います。「上手い声優が好き」なら好きと、はっきりと主張して、自分の意見が現実に反映されることを目指すべきだと思います。
 
このネタは前向きに続けていきたいと思います。