新番組を切らなくてもいい時代は来るか?

 
果たしてそんな時代が来るのだろうか?と考えてみる。
まず考え方として、新番組を「切る」のは大概、「消化するのがめんどい」、「録画するのもめんどい」という状況なので、とりあえず録画さえしてしまえばあとは何とかなるかなと考えてみる。
 
そこで、ひとつの実験。一つの作品を全話HDDレコーダーに収め、放映終了から3ヶ月の猶予をもって、視聴(消化)をし、消すかまたはDVDに保存するかしてHDDから抹消するというモデルを考える。この場合、どのくらい容量があれば足りるのかを試算してみる。
 
2004年に放映されたアニメはざっと120本以上。詳細を確認するのがめんどくさいので、このうち1クールアニメが40本、2クールアニメが40本、4クールアニメが40本、それを四半期で四分割して30タイトルずつ、年間で計120タイトルという荒い近似を入れて以下計算をする。
 
・1クールアニメの場合、1月期のアニメと4月期のアニメはHDDの中に並存するが、1月期と7月期は並存しない。よって、HDDの中にあるのは20タイトルがせいぜいである。内訳は、消化待ちの10タイトルと、1話〜13話を収集中の10タイトルで、最大話数は 10タイトル×13話+10タイトル×13話=260話。
 
・2クールアニメの場合、1月期のアニメと7月期のアニメは並存するが、1月期と10月期は並存しない。よって、30タイトルがせいぜいである。内訳は、消化待ちの10タイトルと、14話〜26話を収集中の10タイトルと、1話〜13話を収集中の10タイトルで、最大話数は 10タイトル×(26+26+13)=650話。
 
・4クールアニメの場合、1月期のアニメと来年1月期のアニメは並存するが、1月期と来年4月期は並存しない。よって、50タイトルがせいぜいである。内訳は、消化待ちのタイトル10タイトルと、40話〜52話を収集中の10タイトルと…(中略)で、最大話数は 10タイトル×(52+52+39+26+13)=1820話。
 
合計で、最大2730話を内蔵できるHDDなら良いことになる。HDDレコーダーの場合、SD画質で1話30分≒1GB程度だから、2.7TBのHDDが必要になる計算。
 
 
2.7TB!!
 
現行HDDレコーダーのハイエンドモデルでも1TB程度ですから、全然収まりませんね。かと言ってビットレート下げるのも癪だし…こんなもんですかね。1クールアニメの比率を先の設定値より上げても、2TBは切りそうにない。「放映終了から3ヶ月の猶予」という設定を外した場合に、ようやく2TBに収まる感じ。
 
ちなみに、VHSテープに3倍で録画し続けた場合、年間で210本のテープが必要になります。また、週に30本のテープをとっかえひっかえしなくてはならない。そうなるとやはり、HDDレコーダーが必要ですね。(PC録画は安定性に欠けるので考慮に入れていません)
 
HDDレコーダー力及ばず、新番組を切らずに済む「アニメ全入時代」はまだまだ来そうにない、という結論で、一つ。デジタル放送の本格化も視野に入れると、素直に複数台買って運用するのが現実的かもしれません。
 
余談ですが、声優オタとしては、単に「あのアニメ切って損したぁ」というのを回避するためだけでなく、いつ誰がどこにゲストに出ても録り逃しがないというのは、やはり夢のような話。