ハード先行の姿勢を続ける任天堂、果たしてレボリューションで勝てるのか

 
東京ゲームショウでレボコンが発表されました。
http://www.famitsu.com/game/event/2005/09/16/264,1126840828,43489,0,0.html
好意的に解釈すれば、体力に余裕のある任天堂がその余裕のあるうちに、業界に新規ユーザーをもたらすための働きかけをこれでもか、とやってくれる、その姿勢は評価してもいいと思う。でも、実際に買うか買わないかを見極めたいユーザーとしては、ハードのアイデアだけ「こんなの作りました、面白そうでしょ」って見せたんでは、ダメ。受け入れられるもんではない。コントローラがキモなら、コントローラを公開した時点で、ローンチタイトルを提示して、「実際にこんなのが遊べますよ」というところまで見せないと、あとは勝手に想像を膨らませてくださいというやり方では、あとあとになって騙されたと思う人も出てくると思う。
 
だいたいDSの発表の頃から「性能でなくアイデアで勝負する任天堂」みたいな図式が出来上がってきましたけど、本当はそうじゃないんですよね。昔からアイデアは出してるんです。ただそれがここまでクローズアップされてきたのが最近というだけで。
 
GCのときは盛んに「GBAとのコネクティビティで新しい遊びを作る」みたいなことを言ってました。でもそれを知らない人は多いと思う。世間的には、PS2より少し性能が良くて、ロードが速くて、良いハードみたいなイメージだったんじゃないかな?今度はその性能差もなくなってしまうから、性能以外のアイデアの部分がクローズアップされてきた、という図式だと思います。
 
ところで、今回の東京ゲームショウのもう一つの見所は、ますますの浸透傾向にあるオンラインゲーム分野だと思います。既存の人気タイトルが続々投入されて、今後さらに伸びる分野だと期待されている。ユーザーがよせる期待も大きい。でも見方を変えれば、セガがDCで全力投球をして、スクウェアFF11という最大級のタイトルを投入したのにも関わらず、まだこれだけ、という見方もできる。「オンラインゲームって面白そう」というユーザーは沢山いるけども、それを実際に業績にまで結びつけるには、どのメーカーも苦労しているはずなのです。
 
だからどうしても「ワンアイデアで勝つ=Revolutionを起こす」みたいな任天堂の言い分って大雑把だなと言う印象が否めない。DSはそれで上手くいった?果たして本当にそうだろうか。DSのセールスが好調なのは、結果的にはGBAの後継機種のようにしてユーザーに受け入れられたからだし(実際、GBA本体の売上は現在、GBASPコミでもDS発売前より大きく数字を落としています)、ソフト市場の任天堂一強状態を見れば、健全な市場だとはとても見なせない。DSのゲームを作るアイデアがどのメーカーからも公平に出てきているのだとしたら、こういう市場にはなってないはずです。とは言え、まだまだこれからのハードではある。
 
DSの二画面・タッチパネルのアイデアが、たとえユーザーに対してオマケ程度にしか認識されていなかったとしても、DSが売れていればそれでいいのですが、レボの場合はそれが「オマケでした」じゃ済まされない事情がある。(性能差や地盤の有無)だからこそ、今まで以上にユーザーに対して具体的にビジョンを提示して訴えていかなければ、万が一にもレボの勝利はないと思うのです。DSの成功の上にあぐらをかいていてはいけない。そのためにはまずローンチを公開すべし!!