新番組と、漫画の人気と、声優の人気

8月半ばではありますが、早くも10月改編の情報が出揃ってきているようで。
moonphaseさんを見るに既に20本くらいは出てるんでしょうか。
これからまだまだ増えそうですが、来期はジャンプ、マガジン、サンデーの有力タイトルが揃ってアニメ化ということで盛り上がりを見せそうです。
 
漫画原作モノの中でも、特に3大少年誌原作のアニメというのは、「アニメが声優の人気を押し上げる」という意味においても高いポテンシャルを持っています。つまり人気漫画のアニメが人気声優を作るという図式です。そうなる理由は単に「原作が人気あるから」というだけでなく、時間帯の良い枠で、最低でも2クール、普通は1年、長くなれば2年や3年という長期に渡って放送されることが保証されていますので、原作そのものの人気も広がりを見せながら、声優も漫画ファン、アニメファン、コアな人からライトな人まで幅広い層に訴えることができるという部分が大きいと思います。
 
人気声優と呼ばれる人たちは、必ず「代名詞キャラ」を持っています。自分の名前よりも一般的な認知度があって、アニメファンや漫画ファンのあいだで「誰?ああ、あいつの声ね」で会話が成立してしまうようなキャラです。限られた人たちの間でしか会話が通用しないうちはまだまだ、ということです。
 
つまり声優人気というのは原作の人気、アニメの人気と密接に関係しているということが言えます。これは声優のタレント化が取り沙汰される今でも変わらないトレンドです。そして3大少年誌原作のような大きなタイトルは声優にとっても大きなチャンスとなります。
 
しかし、ここからなんですが、最近はどうも出版社側も既存の声優人気を追い風にしようという向きがあって、つまらないキャスティングをしてくることが多い。既に人気のある声優であったりとか、U局アニメやイベントでだいぶ人気出ちゃってる人を起用してくるんですね。個人的にはこういう「後追い起用」はつまらないです。
 
「後追い起用」は既存のファンをとりあえず取り込むという意味では堅い選択なのですが、無名の新人を大きく育てるチャンスがあるのに、そのチャンスを捨ててしまうという意味では非常にもったいない。出版社側に言わせれば「声優の事情なんて知ったこっちゃねえよ」ということかもしれませんが、既存の人気声優を使うということは言い換えれば他の作品の人気を多少なりとも取り入れているわけで、そう考えるとファンにとってはプライオリティ(優先順位)の高い作品にはなりにくい。例え話ですが、同じ雑誌に連載してるあの漫画とこの漫画の主役の声が同じ、というよりは別々の声優が当てている方が自然だし、漫画ファンもできることならそっちの方がいいと考えているはず、と思っているのですが。どうでしょうか。
 
無名の新人は無名の新人なので、このblogで「この声優を使え!」みたいなことは言えないんですが、事務所に連絡してオーディションするから有望な新人出してくださいと言えば喜んで出してくれると思いますしそこから選ぶ余地も十分あると思います。
 
何も3大少年誌のアニメに限ったことではないのですが、有名声優に拘らず、積極的に新人その他を使っていって欲しいなと思います。